何を学ぶか

退屈が当たり前といえど

中学生からしたら職場体験ほど面倒だと感じるものはないかもしれません。実際、開催こそしているが自分のためになっていると感じている人は少ないと見た方がいいだろう。一番の問題は年齢的な面だ、この国では基本的に16歳未満は就業することを禁則としている。日本でなくても世界各国が原則として義務教育を修了してからでなければ仕事は認められていません。一部発展途上国では14歳からでも可、また軽易な労働であれば13歳からでも出来るなど児童労働を許可している動きもあります。

日本では16歳に最低でも達していなければならない、中には高校生が働いている事すらあまり良いように捉えていないところもあるくらいだ。こうした社会的な流れもあって、中学生自身としても後何年後と先の話をされてもビジョンなど見えてこないものです。しかしだ、見えないからつまらない、仕事なんてつまらないのが当たり前だなどというのも暴論過ぎる。

仕事をすることで得られるやり甲斐や楽しみ、それらがはっきりと見えてこないのは誰だって同じだ。逆に言えば自分で仕事を探して見つけてやっていき、先輩の後ろ姿を見て言われるまでもなく学んでいく、それが日本の労働では美学とされていたことをご存知でしょう。筆者に言わせれば、これこそ悪徳だと思うものはない

仕事なんて出来るわけがない

社会人として入社した学生に対しての指導、それはどの企業も行っているでしょう。その点についてはアルバイトなどでも同様だ。最初こそ簡単な作業を教えていき、覚束ないながらも一人で出来るよう教えていかなくてはならない。ところがだ、日本の企業はそれすらも省いていきなり現場に立たせる、教える手順など念頭にいれないで見て覚えさせようとする。そして間違えば怒られて、何がいけなかったのかを後から聞かされて、次からは間違えないようにしていく。そんな事が当然のように行われていました。

自分たちはそうだったと先達たちはそう言っていますが、競争社会という意味では確かにありでしょう。あえて何も教えず自発的に動き、主体性を持って行動できるかで評価を鑑みる。そういうのもありだろうが、最近ではそれすらやらないところもある。最低限やってほしいことがあれば言葉を通して言わなくてはならない、空気を読んでやってほしい仕事を察知するのが常識だというが、何も知らない新人に要求しても出来るわけがない。

中学生は確かに意識的な面で未熟な部分が多すぎるため職場体験は早すぎるとの意見もわかる。つまらないと感じる仕事にもやり甲斐を見出すためにはどうしたら良いのか、そういった点を教えるのもまた体験先に指定された企業の課題でもある。つまらないと感じるのはどうしてか、一体どうしてこんな事をさせるのか、その点を学生たちに考えさせるようにしていかなければならない。

問題意識を見定める

アルバイトだろうとなんだろうと、社会人になって仕事をすればすぐに現場での仕事をこなしていかなくてはならない。人によって差はある、伸びる人にはドンドン仕事を教えていき、伸び悩んでいるなら何が行けないのかと、考える必要がある。中学生相手だろうとそれは変わらない、面白いと感じるようにするにはどうすればいいか、つまらないと感じる原因は何か、それこそが職場体験を実際に体験した後に得るべきものではないでしょうか。現場仕事を経験させてくれればいい、それで十分だと告げる学校もいるようだが何がいいのか?

筆者も何度か後輩に指導することもあったが、考えさせられることの連続だった。あれはダメだった、もう少しこう言えば良かった、伝わりにくかった、などなど色々思ったものです。それに今は動こうとしても何をすれば良いか分からないという人は多い。それも大学生になっても分からない人など普通にいるものだ。訪ねて来るなりしてくればいいが、それが出来ないと今時の教育問題に出くわしたこともあります。

自分で動くのも大事ですが、それは今の日本社会におけるシステムでは難しいでしょう。それこそ親御さんが熱心に教え聞かせるなど、ためになるよう導いていくなどしなければ動こうとはしないものだ。実際あったことだが、ある1人のアルバイトをしていた後輩が辞める際、『今まで本当にありがとうございました』と言われた時ほど心に響くものはない。嘘かホントかはともかく、相手に何かが伝われば十分なのです。

仕事を見つめるのは学生や企業だけではない

職場体験とは将来的に仕事を通じることで得られるものを考える事に意義を見出します。ですがそれは職場体験する学生だけが一方に受けるのではなく、文部科学省が訴えているように体験をきっかけとして何を得られるかを考える必要があります。

言いたいことはわかるけど、毎日やらなくてはいけない事が多すぎて手が回らないという本音もあるでしょう。家庭でも職場体験を通じて、子供が体験からどんな事を感じて、仕事をどう思ったかを訪ねて仕事について教え聞かせる。このサイクルは重要なことだ、社会人になってから筆者も両親とは仕事や社会について度々議論する場を設けているが、得るものはあります。いくつになっても学ぶことは多い、それが早ければ早いほど精神の早熟は望める。

そこまでする必要はないと思う人もいるでしょうが、社会人になるまで中学3年生といえどせいぜい7年後と考えると意外と短いものだ。話せることは正面向いて話す、それ以上に得られるものはありません。

子供を取り巻く職場体験について考える